混同しがちな接遇と接客

2019.01.02

接遇と接客

それぞれ異なる意味を持つ

普段の生活の中で「接遇」という言葉はあまり聞くことがありません。どちらかというと、「接客」のほうがよく聞く言葉かと思います。あのお店の接客は良かった、悪かったなどという会話をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
一方、日常的な会話の中でなかなか耳にすることのない接遇という言葉についてですが、そもそも接遇と接客はなにが違うのでしょうか。介護の世界において接遇は非常に重要なキーワードとなります。そして、この接遇の意味をきちんと捉えておかなければ、利用者に対して質の高いサービスを提供することができません。ですが、言葉の意味について明確に捉えられている人が少ないのも確かです。適当なインターネットの記事一つを見ても、間違ったことが書かれているケースが多いです。例えば、「接遇にはもてなすという意味は含まれないが、接客には含まれている」といった解釈を紹介している記事がありますが、これは完全に間違っています。このような間違った解釈を持った人から接遇・接客研修を受けても意味はありません。そもそもの意味を取り違えているのですから当然です。

それぞれ異なる意味を持つ

違いはなに?

接遇・接客どちらも、基本的には応対やおもてなしの意味を持ちます。そのうえで、接客という言葉はお客様に対するサービスの提供に限定して使われます。一方接遇とは、対象をお客様に限定せず、接客などを含めたあらゆる面においてお客様に満足感を得てもらうための取り組みや応対を指します。いわゆる、商売の基本ともいわれる「三方良し」の考えにある、三方すべてに対するおもてなしのことになります。三方良しとは「売り手良し、買い手良し、世間良し」という意味を持ちます。こういった接遇を心がけることにより、相手に「また利用したい」「気持ちのいい対応だった」「ほかの人にも紹介したい」といった印象を持ってもらうことが最大の目的となります。
近年行われた調査によると、サービスを利用したお客様の満足度は全体で45%ほどしかないというデータが出ています。半数以上の人が満足感を得られないという、非常に悪い数字です。そのため、職員の接遇マナーの質向上は介護業界において非常に重要な項目となっています。自身の接遇マナーを見直し強化することも大切ですが、ある程度の役職についている人であれば施設全体の接遇マナーにも目を向けて改善する努力をしていく必要があります。しっかりと接遇について理解し、利用者に満足してもらえるような介護サービスを提供していけるようにしましょう。

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