接遇は介護業界で重要なキーワードとなっていますが、そうなったのは実は最近のことです。接遇が重要視されるようになったのにはいくつかの理由があります。
まず、介護保険導入による介護のサービス化の影響が大きいと言えます。これまでは自治体の措置という扱いでしたが、サービスへと変化したことにより利用者側が選択できるようになったのです。また、参入業者の増加も接遇が重要視されるようになった理由の一つにあります。医療法人や社会福祉法人など一部の法人しか行っていなかったものが、先述の介護保険導入を受けて民間企業にも開放されたことにより、多くの事業所が参入し競争が激しくなったため、各事業所は他と差別化をする必要が出てきました。そこで、接遇が注目されるようになったのです。
そして、利用者がサービスに対して以前よりも厳しい目を持つようになったことも理由として挙げられます。これまでは利用者がサービスを選ぶ際の選択肢が少なく、たとえサービスに不満を持ったとしても受け入れるしかありませんでした。しかし現在は事業所の数が増え、自分に合う施設を利用者が選ぶ余裕が出てきたのです。利用者のご家族も、これまではサービスを受けられるのならどこでも構わないという意識が強かったのですが、事業所が増えてインターネットなどを通じて情報を容易に入手できる時代になったため、入念に調べてから事業所を選ぶようになりました。利用者自身もそのご家族も、より質の高いサービスを求めるようになったのです。
また、所得が多い人向けの高級介護施設や事業所が出てきたことも要因の一つです。高齢者のニーズは多様化しているため現在では様々な種類の施設が存在します。特に高級志向の施設では利用者の満足度が重視されるため、接遇が重要なキーワードとなってくるのです。
大切な人に心を込めておもてなしをするのが接遇です。そして、介護職には相手に寄り添い尊重する気持ちが必要となります。そのため、接遇と介護職は切り分けられないほど密接に結びついているものであると言えます。介護の基本原則として利用者の尊厳を守る必要があります。尊厳を守るとは、つまり相手を尊重する態度そのものであるため、介護という言葉に接遇という概念が含まれていると考えても問題ないでしょう。接遇を身につけることは、サービスの質向上に直結します。そのため、特に介護業界においては接遇というものが重要視されるのです。接遇を身につけ、介護職員として大きくステップアップしていきましょう。
なぜ介護業界においてここまで接遇という言葉が重要視されるようになったのでしょうか。実は昔から重要視されていたのではなく、むしろ最近注目されるようになった言葉なのです。その理由を、ここでは詳しく紹介していきます。
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