接遇は、相手と関係を築いていくにあたって必要なスキルであり、人と接しながらもてなすことを指します。介護職はサービス業であり、現場ではそれぞれ異なる人生を歩んできた利用者たちと毎日接することになります。そのなかでより深い対人関係を築くためにはホスピタリティを重視した接遇が重要になります。利用者が安心してサービスを受け、そして職員も信頼されることに喜びを感じ、お互いが満足感を得られる関係性を築くために必要な3つのポイントをみていきましょう。
まず基本となるのは挨拶です。信頼関係を築くための基本的な部分ですが、最近の人は挨拶をおろそかにしている人も多いのが事実です。恥ずかしいという理由で挨拶が上手くできずに黙々と業務をこなしているようでは、利用者からの信頼を得ることはできません。利用者が心を開いてくれる糸口となるのが挨拶です。初歩的なマナーとして、挨拶はしっかりするようにしましょう。
以下に、挨拶をはじめとした接遇の基本マナーについて掲載しているサイトを紹介します。こちらの「きらッコノート」は介護従事者向けの情報サイトとなりますが、こちらのページでは挨拶や言葉遣い、お辞儀のコツなど役立つ接遇マナーが紹介されていますのでぜひ参考にしてください。
また、書籍でも接遇マナーを学ぶことができます。以下に紹介する「介護職が知っておきたい接遇マナーのきほん」は、介護現場で使える接遇マナーの入門書として役立つ一冊です。
次のポイントとなるのが、利用者との距離感です。身体的な介助だけではなく、精神的なサポートも必要となる介護の現場においては、丁寧な対応に加えて利用者から親近感を持ってもらうことが大切になります。とはいっても、いきなり馴れ馴れしく接すると当然利用者は不快に思うでしょうし、関係に溝が生まれてしまいます。最悪な事態としてクレームに発展するかもしれません。利用者の状態はそれぞれで異なりますので、自分の価値観を一方的に押し付けるようなことをしてはいけません。あくまで相手に寄り添う気持ちを忘れずに、ほどよい距離感を探していくことが大切です。
最後のポイントが、自身の感受性を育てることです。他人の痛みを本当に理解するためには、その人の立場にならなければわからないものですが、想像することはできるはずです。主観で物を言うのではなく、相手の話にしっかり耳を傾ける姿勢が重要となります。人間には本能として承認欲求が備わっています。認めてほしい、受け入れてほしいという感情があるため、真剣に寄り添って相手の話に耳を傾けることで相手は喜びを感じます。接遇において、年齢や外見などを理由に対応を変えるのはNG行為となります。そのため、自身の感受性を育んで相手を受け入れることが大切なポイントとなるのです。
なぜ介護業界においてここまで接遇という言葉が重要視されるようになったのでしょうか。実は昔から重要視されていたのではなく、むしろ最近注目されるようになった言葉なのです。その理由を、ここでは詳しく紹介していきます。
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